<竹内 宏行>メンタル不全(第一回/心身症)
こんにちは、メンタルアップカウンセラーの竹内宏行です。
だんだんと暖かくなり、春らしい陽気になってきましたね。
今年は、それほど花粉の量も多くはないとはいわれていますが、それでも花粉症に悩まされている方も多いのではないでしょうか。
私も、この季節は外出の際にマスクが欠かせない一人です。
さて、季節の変わり目、特に春は心の調子を崩しやすい時季といわれていますが、今回から数回に分けてメンタル不全について考えてみたいと思います。
メンタル不全とは、心の不健康状態を総称する言葉で、精神疾患や行動の障害などが含まれており、よくイメージされるものに「うつ」などがあります。
今回は、その中の「心身症」について書いてみたいと思います。
「心身症」と聞くと耳慣れない言葉かもしれませんが、「自律神経失調症」とも呼ばれ、我われにとってかなり身近なものであるかと思います。
心身症とは、 「心理的なことが原因となって身体に病気の症状が現れるもの」で、例えば、胃潰瘍や喘息、高血圧、糖尿病、下痢や便秘、腹痛、頭痛などがあり、呼吸器、循環器、消化器など、人によってさまざまな箇所に症状が見られます。
よく言われる「ストレスで胃が痛い…」といった症状も心身症の一つですね。
ただし、このような症状のすべてが心身症というわけではなく、あくまでも、その原因が心理的なストレスなどによる場合が心身症ということになります。
また、心身症は子どもに発症しやすく、その原因が親子関係によることも多いといわれています。
心身症になりやすい性格傾向としては、競争心が強く、時間に追われていつもイライラした感じがあり、絶えず物事を達成しようとする意欲をもつタイプや、きまじめで周囲の人に気を遣い、自己犠牲的に周りの期待に応えようと努力するタイプの人だといわれています。
また、自分自身の心(感情)に気づきにくく、気持ちを言葉で表現することが苦手なタイプの性格傾向もみられます。
このような性格傾向がストレスとなり、心身症になる可能性が高くなるのです。
心身症の治療には、単に身体症状の治療や生活習慣の改善だけではなく、カウンセリングを含む心理療法が有効であるといわれています。
これは、心と身体の関係に気づき、心のケアをすることにより、自分自身で主体的に症状をコントロールすることの大切さを意味しています。
もし、あなたが身体の不調に気づかれたとき、身体だけではなく心にも目を向けてみてはいかがでしょうか?
もしかしたら、その原因は心の問題なのかもしれません。
ひょっとすると…あなたの心が身体を通じてあなたに助けを求めているのかもしれませんから。